死後の世界には「地獄」があり、エンマ大王や鬼たちが待ち構え、人々は現世で犯した罪を償っています。
ただ地獄の責め苦とはよく言ったもので、手足をちぎられ、細かくきざまれ、沸騰した窯の中で茹でられるという、想像もできないような苦しみに満ちているのです。
そして天国に行けるのはごく少数。
あなたに待ち受けるのは鬼からの拷問か、それとも天国でしょうか。
本記事で、死後の世界にある地獄について詳しく解説していきます。現世で徳を積み、最下層での無期懲役だけは避けられるようにしましょう。

死後の世界には地獄はない?いいえ、あります

宗教によって異なりますが、多くの人は「地獄」行き確定です。
地獄には階層があり、伴う苦痛に差があるといわれています。
階層ごとの罰則についてご紹介していきます。
地獄にも階層がある

地獄には階層があります。
生前に犯した罪によって階層が割り振られ、重罪であればあるほど下の層へと送られます。
また国が違えば宗教も違い、それぞれ地獄に対するとらえ方も異なります。
宗教ごとに違いがあるのでご紹介していきます。
キリスト教

キリスト教の地獄にいるのはエンマ大王。
生前にイエスキリストを信じなかった死者たちが拷問をうけます。9つの階層があり、最下層ではより重い試練が待ちうけるでしょう。
- 第一階 辺獄
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拷問はありませんが、何もない殺風景な空間に永遠閉じ込められます。たとえ、罪を犯していなくても「辺獄」行きは避けられません。
- 第二階 愛欲者の地獄
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性欲に溺れた経験のある者はこの階層です。生前に、正常位以外の体位をした者が対象になります。
- 第三階 貪食者の地獄
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大食の罪を犯した者が対象です。飲み食いが好きだった者は、この階層でケルベロスに食われます。
- 第四階 貪欲者の地獄
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貯金をたくさんした者、浪費癖があった者が集まります。貯金は良い行いのように感じますが、エンマ大王的にはNGです。
- 第五階 憤怒者の地獄
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怒りにあふれた者が集う階層です。全員気が短いのでケンカが始まります。
- 第六階 異端者の地獄
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宗教上で異端とされた者が対象です。棺に入れられ、生きたまま焼かれます。
- 第七階 暴力者の地獄
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暴力をふるってきた者が罰をうける場所。煮えたぎる川で茹でられます。
- 第八階 悪意者の地獄
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明確な犯罪を犯した者が集まります。刑罰の内容はさまざまで、罪状によって異なります。
- 第九階 裏切者の地獄
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キリスト教では「裏切り行為」が最も重い罪。極寒の氷地獄で罪を償います。
「審判の日」が訪れるまで、永遠に地獄から抜け出せません。
イスラム教

イスラム教の地獄はいたってシンプル。悪人は、燃えたぎる窯の中に落とされ、善人は天国へと導かれます。
- 第一階
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イスラム教徒が落ちる「火地獄」
- 第二階
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キリスト教徒が落ちる「燃える火」
- 第三階
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ユダヤ教徒が落ちる「砕く火」
- 第四階
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サービア教徒が落ちる「燃え上がる火」
- 第五階
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ゾロアスター教徒が落ちる「業火」
- 第六階
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多神教徒が落ちる「かまど」
- 第七階
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偽信者が落ちる「奈落」
ちなみに天国行きになった者は、毎日美味しいお酒を飲め、くだものや鶏肉を食べられます。女性が夜の相手をしてくれるとされています。
仏教

仏教の地獄は、地下15万キロに位置しているといわれています。第八階層まで連なり、最下層の「阿鼻地獄」に落ちるまで2000年かかるそうです。
- 第一階 等活地獄
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生前に殺生した者が対象です。もっとも軽い罪であり、蚊やアリを殺した場合でも等活地獄行きになります。
- 第二階 黒縄地獄
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窃盗を犯した者が集まります。鬼が待ち構えており、ノコギリで体をズタズタにされます。
- 第三階 衆合地獄
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邪淫の罪が対象です。鬼に追いかけられ、削られ、突かれます。激しい痛みが伴うでしょう。
- 第四階 叫喚地獄
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酒に溺れた者が集まります。口の中に、熱々の鉄球を入れられ拷問されます。
- 第五階 大叫喚地獄
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嘘をついた者が対象。仏教の世界では、噓つきは重罪にあたります。
- 第六階 焦熱地獄
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お釈迦さまにそむいた者が罰をうけます。串刺しに合い、火あぶりにされます。
- 第七階 大焦熱地獄
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尼さんを誘惑した者が対象です。牢獄で体の皮をはがされ、アツアツの鉄で焼かれます。
- 第八階 阿鼻地獄
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殺人を犯した者が集まります。最下層なのでもっとも重罪。他の階層とは比べ物にならないくらいの拷問が待ちうけるでしょう。
仏教では、天国に行ける者は少ないとされています。
日本人の多くは、地獄行きになると思っておいた方が良いでしょう。
最下層の地獄に落とされると現世より辛い可能性も…
最下層に落とされると、現世より辛い環境が待っています。鬼による拷問が永遠に繰り返されるからです。
あなたを待ち受けるのはこれらの責め苦。
- 焼かれる
- 刺される
- 切りきざまれる
- 追い回される
あらゆる罪をつぐなわなければいけないので、これらの拷問を受け続けます。現世より辛いことは容易に想像できるでしょう。
もちろん無期懲役なので、最下層からは抜け出せません。苦痛に悶絶しながら、鬼への恐怖と戦い続けます。
できるだけ上階層で生活できるよう、現世では徳を積み上げたいものです。
ただし地獄に行くかどうかはその人次第

宗教によっては地獄に行く可能性は高いですが、その人の行い次第で未来は変えられます。
真摯に行動し、無意味な殺生や食事などを避けましょう。
また念仏を唱えたり、キリストに救いを求めたりすることも大切。
効果があるのか不安になる人もいますが、信じる気持ちが重要です。
神様・仏様をうやまい「南無阿弥陀仏」と唱えることで、過去の精算になるでしょう。
神を受け入れ悔い改めれば、地獄で苦労することなく天国へと導かれます。
死後の世界で地獄に行きたくないならコレだけはするな!

誰もが「地獄」へは行きたくないはず。しかしながらこの行動をすると確実に地獄行きになる罪があります。
それがこの3つ。
この3つをしなければ、死後に待っているのは明るい未来です。それぞれ解説していきます。
①犯罪

当然ですが犯罪は良くありません。エンマ大王様に裁かれ、奈落の底に落ちるのは確実でしょう。
味わったことのないような痛みと苦痛に襲われます。火を噴く虫に手足を焼かれ、熱湯をかけられながら舌べろを引っこ抜かれます。
生きるのが辛いと嘆く人はいますが、地獄では逃げ場もなく助けてくれる人もいません。
人殺しや、強盗などの重犯罪は容赦なく「阿鼻地獄」行きです。
あの世もこの世も、罪人には厳しいので犯罪行為は辞めましょう。
②自殺

キリスト教では、自殺も地獄行きです。神から与えられた命を粗末にする行為だからです。
そもそもなぜ自殺するのでしょうか?
「辛いことがあったから……」「死んでラクになりたいから……」など、さまざまな要因があるでしょう。
ハッキリお伝えしますが、地獄の方が辛いです。そして、自殺は「阿鼻地獄」行きなので死んだところでラクにはなりません。
死んだら苦しみがなくなるわけではなく、もっとひどい目に合うということを覚えておきましょう。
③悪辣な行為

些細なことであっても、徳が下がる行為はNGです。
人が嫌がることをしたり、迷惑をかけたりすると、エンマ大王が見ています。
- 不平不満
- うわさ話
- 不機嫌な態度
- 暴言
- ポイ捨て
このような徳が下がる行動は、人に迷惑がかかり不快感を与えてしまいます。
自己犠牲の精神で、人のためになる行動を積み上げましょう。
- 人のサポートをする
- プラス思考
- 穏やかさや、謙虚さを持つ
- 嫌なことも前向きに取りくむ
これらを当たり前のように行うと、巡りめぐって良い出来事がおこります。
もしかしたら、天国へと導かれ豊かで裕福な毎日を送れるかもしれません。
死後の世界に地獄はある!ただ回避する方法もある

本記事では、成仏したあとに待ちうける「地獄」について解説してきました。
死後の世界には階層があり、下に行けば行くほど苦痛を伴い拷問レベルが上がっていきます。
ただし、良い行いをし徳を積み重ねると、地獄行きを回避できるかもしれません。
死後に待ち受けるのは天国or地獄。すべてはこれからの行動次第でしょう。

