南アフリカに世界最古の民族と呼ばれるサン族が生活しています。
その独自の生活スタイルと宗教観は非常に重要な文化ではありますが、近代化や狩猟規制の影響で伝統的な生活を続けるサン族は減少傾向です。
本記事でサン族の生活や文化を解説しますので、彼らの文化を守り支援していきましょう。
サン族の基本情報
サン族の基本情報はこちら。
民族名 | サン族 |
居住地 | 南部アフリカのカラハリ砂漠 |
人口 | 約10万人 ・ボツワナ約5万5,000人 ・ナミビア約2万7,000人 ・南アフリカ共和国約1万人 |
言語 | コイサン語 |
サン族は世界最古の民族?
サン族は遺伝子解析の結果から、世界最古の民族といわれています。
最も古くに分岐したY染色体ハプログループA系統を高頻度に持っており、これはサン族が現生人類の祖先としての特徴を最も長く保有しているということを示しているのです。
サン族の特徴
サン族は独特の風習や文化からさまざまな特徴を持っています。
砂漠に住む狩猟採集民族
一般的に、狩猟や採集で食べ物を集める場合、森や草原といった動植物が多い地域で生活します。
それにも関わらず、サン族は砂漠という水すら見つけにくい環境で狩猟採集を行っており、珍しい民族といえるでしょう。
特徴的な言語
サン族が使う言語は『コイサン語』という言語で、言葉の中にクリック音と呼ばれる舌打ちのような音が含まれています。
また、コイサン語には文字という概念がなく、基本的には口語で伝えられてきました。
しかし一部の研究者によってクリック音を示す記号として『 ll 』という記号が使われることもあるようです。
数日から1ヶ月程度の移動生活
サン族は親族関係に基づく40〜50人単位の集団が集まったり、離れたりしながら移動生活を営んでいます。
移動生活が中心のため、しっかりとした住居ではなく半球状の簡素な小屋を作って住んでいるようです。
狩猟採集のため、数日から1ヶ月程度での移動を繰り返しながら、時期や環境に合わせて適応しています。
独特の宗教観
サン族の宗教は無数の神々の頂点に立つ創造神カアング、病気や死の原因となる悪霊を信じているようです。
仏教やキリスト教のように体系化された宗教ではなく、あくまでサン族独自の宗教観となっています。
世界最古の民族『サン族』は独自の生活をおくっている
サン族は世界最古の民族といわれながらも、今なお昔同様の生活を過ごしています。
しかしながらその数は減少の一途をたどっており、古くから続いている伝統や文化は失われてしまうかもしれません。
サン族の伝統と文化を守るためにも、まずは知ることから始めましょう。
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